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株での資産形成で失敗しないために知っておくべき!株式投資の3つのリスクとは?

株での資産形成で失敗しないために知っておくべき!株式投資の3つのリスクとは?

資産形成にも様々なパターンがありますが、株式投資で資産形成を検討されている方もいるかと思います。投資には一定のリスクが付きもの、株式投資にももちろん3つのリスクが存在します。

このリスクを理解していないと、せっかく資産を増やそうとしても増えないどころか元本割れする恐れも。そこで今回は株式投資での資産形成における3つのリスクをわかりやすく説明します。

株に潜む3つのリスク

デスクトップパソコンを見る女性の後ろ姿

株式投資では、主に3つのリスクがあるとされています。

  • 価格変動リスク(株価が購入時より値下がりするリスク)
  • 倒産リスク(企業が倒産し、株式の価値が0になるリスク)
  • 流動性リスク(株式の売買が不可能になるリスク)

では、それぞれのリスク内容を解説していきます。

株価の下落による価格変動リスク

価格変動リスクとは、株価が購入時より下落して損をすることを指します。おそらく株式投資において、一番イメージしやすいリスクでしょう。株価が下落する原因は複数あり、具体的には「株式を発行している企業の業績不振」「業績見通しの下方修正」「企業の不祥事等、マイナスな問題発覚」「為替レートの変動」「業界全体の冷え込み」、そして「外国の政治による影響」などの原因が考えられます。

まず「業績不振・見通しの下方修正」。企業が業績不振に陥ると機関投資家がいち早く情報をキャッチして株式を売却します。その結果、株式は売りの注文が増えて需要が低下するため株価が下落します。また業績見通しを下方修正して情報を公開すれば、配当金の減額や企業への懸念が生まれ、投資家は株式を手放すでしょう。投資家は企業への期待・配当金を目当てにして株式を購入するため、業績が落ち込むといち早く株を手放すでしょう。

また業績によらず、企業の不祥事等マイナスの問題が発覚して公になると、会社の将来性が不安定になり、企業への信頼が揺らぎます。当然株主は企業への投資から撤退するので、株価は下落します。自動車産業でのリコール問題や食品業界での異物混入問題、企業役員のセクハラ・パワハラなども株価下落の一因となります。

そして為替レートの変動も株価下落の原因になるでしょう。例えば海外への輸出がメインとなる企業においては、円安状態においての輸出で収益が下がります。結果として業績の低下に繋がり、株価が下がることとなるでしょう。

このように直接は関係ない事象も、回って株価に影響を与える場合があります。

株式の価値が0になる倒産リスク

倒産リスクとは、その名の通り企業が倒産することにより、保有している株の価値が0になるリスクを指します。価格変動リスクの延長線上にあるリスクとも言えます。

倒産リスクはリスクとして価格変動リスク以上の最悪なパターンですが、上場企業が倒産することはそう多くはありません。(平成においての上場企業倒産数は234件)

また倒産リスクを抱えている企業の株を保有し続ける状況も想定しにくいでしょう。

仮に不祥事等で一気に倒産に追い込まれる場合も、倒産の前に株価の下落が起こります。その段階で損切りすれば会社が倒産するまで株を保有し続けることは考えにくいので、現実的に対処すべきリスクではないと言えます。もちろん株式購入時の見極めは必要となるので、本リスクに限った話ではありませんが企業リサーチは入念に行うべきでしょう。

流動性リスク(売買できなくなるリスク)

流動性リスクは株式を売却できないリスクを指します。ほとんど起こらないリスクですが、「上場廃止となった」「証券取引所のシステム障害が発生した」、といった理由で売買できなくなる可能性もゼロではありません。特にデイトレードで売買できなくなると、タイミングを逃す可能性があります。

先日も東京証券取引所でシステムエラーが発生したため、終日取引停止となりました。(参照:https://www.bbc.com/japanese/54366739)

上場廃止においては企業倒産が要因となった場合、価値が著しく低下する・もしくは0になりますが、それ以外の要因であれば株主としての権利が残るため自分で売り先を見つけて売却等も可能です。ただし、圧倒的にリスクの方が大きいため避けた方が良いと言えるでしょう。

対処すべきは価格変動リスク

タブレットで株の変動グラフを見ている人の手

株式投資における3つのリスクを解説しましたが、もっとも現実的で頻繁に発生するのは価格変動リスクです。倒産リスクと流動性リスクも可能性がゼロではありませんが、発生すること自体が稀です。

つまり株式投資においてリスクを避けたいのであれば、価格変動リスクに備えることが重要です。

もちろん倒産リスクや流動性リスクも避ける必要があるのですが、たとえば価格変動リスクに備えて会社の財務諸表を分析すれば、それは倒産リスクに備えることにもなります。また価格の変動に合わせて常に取引できるよう環境を整えていれば、流動性リスクに備えることにもなります。

価格変動リスクに備える方法

ノートパソコンをいじりながらスマートフォンをいじる女性の手

ではどうすれば価格変動リスクに備えることができるのでしょう。まず大前提として、株価が下がること自体は防ぎようがありません。一個人投資家がどれだけ株を保有したところで、機関投資家が動けば株価は一気に変動します。

当たり前ですが株価に影響を与えることではなく、株価の動きを予測し、合わせて動くことが基本となります。ではどうすれば株価の変動に合わせて臨機応変に対処できるかについてですが、以下のような方法が挙げられます。

  • 損切りのタイミングを明確にし、感情に流されないようにする(ロスカット)
  • 複数の銘柄を保有し、一つの銘柄に資産を依存させない(資産分散)
  • 一気に買いすぎないようタイミングをずらす(時間分散)

以上の方法で、価格変動リスクに備えます。

ロスカットのルールはあらかじめ明確にしておく

結局のところ、株で大損する原因はロスカットのタイミングを見誤りによることがほとんどです。ロスカットできずにずるずると保有し続けてしまうため、どんどん損失が膨らんでしまいます。

そうならないためにはロスカットのルールを明確化し、どこまで株価が下がったら売却するか明確にしておく必要があるのです。株価が下落し始めたタイミングは焦りがあるため、冷静な判断ができません。

また株を購入する際は株価が上昇することへの期待で頭がいっぱいなので、ロスカットのことが頭から飛んでしまっているケースが多いです。つまりロスカットのルールは早い段階で決めておく必要があり、できれば株の購入前がベストです。

ロスカットのルールを明確にすることはもちろん、できれば利益確定の方もあらかじめ明確化しておいた方が良いです。株価が上昇しているときも下落しているときもいざその状況になるとどうしても感情に流されがちで、冷静に損得計算している余裕がありません。

「ルールを事前に明確化」「チャート等を見てルールを確実に実行することだけ考える」これらの徹底をおすすめします。実際ルール通り実行して、ロスカットしたのに後から持ち直して株価が上昇した、ルール通り利益確定したけれどまだまだ株価が伸びた、といったことはよくあることです。

トータルで収支がプラスになれば良いので、ロスカットで損をしたことや利益確定が早すぎて利益が少なったことは気にせず、プラスとマイナスを積み重ねて最終的にプラスを大きくしましょう。

まとめ

株取引のリスクについて解説しましたが、日々の取引に影響するのは価格変動リスクです。リスクと言っても株価は変動するものなので、避けることは不可能です。ロスカットと利益確定のタイミングをあらかじめ明確化し、感情に引っ張られて損が膨らんだり、せっかく上昇したのに再度下落してしまうようなことは避けましょう。

一回一回の取引にこだわることよりも、プラスとマイナスを積み重ねて最終的にプラスを大きくするイメージになります。損をするのは当たり前で、いかに損切りを恐れないことが重要です。

また利益確定に関しても欲張って放置していると下落に転じる可能性があるので、様子を見たいのであればいったん利益確定してからでも遅くはありません。

損を膨らませないことと欲張り過ぎないことが株取引のリスクを軽減させるコツと言え流でしょう。

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