資産運用といえば株と不動産投資をイメージする方が多いと思いますが、どちらが資産運用に向いているのでしょうか。
どちらも古くから試案運用の方法であり、投資をしている人の間でも好みが別れます。投資の経験が浅い人なら、どちらがいいのだろうと迷ってしまうでしょう。
この記事では、資産運用をこれから始める方向けに、株と不動産のメリット・デメリットを比較しつつ、どちらが資産運用に有利なのかを解説します。
株で資産運用することには、次のようなメリット・デメリットがあります。
メリットは、以下の5つです。
株による資産運用は簡単に始められます。最初に準備する資金は数万円とわずかな金額でも大丈夫です。株を購入するには証券口座が必要になりますが、ネットを使えば短期間で簡単に口座開設できます。資産運用を始めるまでの手間と時間がかからないので、思い立ったらすぐに取り組めるのは大きなメリットです。
株式は株式市場で売り買いをします。株式市場とは、株式を買いたい人と売りたい人をマッチングさせる場であり、株式市場には株式を売りたい人と買いたい人が多くいます。そのため株式市場で株式を簡単に購入できますし、売却することもできるのです。ネットで株式を取引できるようになってから売買のスピードはかなりアップして、ネットにアクセスできる環境があれば気軽にトレードできるようになりました。
急に現金が必要になった場合でも、株式(※上場株式)を市場で売却すればすぐに現金化できるのは有利です。また経済事情などにより急な相場変動があった場合でも、現金化や他の資産への移動しやすいのは大きなメリットです。
株で資産運用する方法はバラエティに富んでいます。株式を購入して値上がりしたら売却して利益を得る方法が有名ですが、株式を保有する期間により短期の方法と長期の方法があります。また、株式を購入した企業の業績に応じて配当金を受け取るという方法もあります。
株式を売買する場合、株式相場の状況、政治や経済の情勢、企業の業績について調べます。これらの情報を判断材料として売買を決定していくからです。現代は、株に関する情報はテレビや新聞、ラジオ、インターネット、雑誌などで簡単に収集できます。
判断材料となる情報は少ないよりは多い方が有利です。あとは収集した情報を取捨選択して、適切な判断をしていけばいいだけです。
株式を割安価格で購入して大きく値上がりしたタイミングで売却すれば、大きなリターンを得ることができます。大きなリターンを得ることは簡単なことではありませんが、他の資産と比べるとチャンスが多いのは確かです。
デメリットは、以下の4つです。
株式は日々刻々と価格が変動していきます。一日の間でも短時間であっという間に大きく価格が上昇したり下落したりすることもあります。
価格が変動する理由はさまざまです。政治や経済の情勢、企業の業績や不祥事などの影響により株価は大きく変動します。購入した株価が大きく下落するリスクがあることは知っておいてください。
株式は購入したときの価格より高く売ることで利益を得ます。反対に、購入したときの価格よりも安く売却すると損失になります。株価は日々刻々と変動していくため、適切なタイミングで株式を購入して売却するのは簡単ではありません。
株式を購入したときの価格から値下がりするのはよくあることです。株価が値下がりには、政治や経済の情勢、企業業績などいろいろな要因があります。株価が値下がりしても保有しておけば元の価格に戻ることはありますが、企業が倒産すると株式が無価値になる可能性もあることを知っておきましょう。
株価は日々刻々と変動していきます。現在の株の取引きは、機関投資家やヘッジファンドのAI(人工知能)が短時間で相場を動かす高速取引を行っています。
短期間で利益を上げる取引をする場合は、相場の価格変動を常にチェックして対応する必要があります。仕事が忙しい人は相場をチェックできないので、急な株価変動に対応するのは難しいでしょう。
株価が今後どのように変動していくかを予測するのは簡単ではありません。プロのトレーダーでも正確に予測することは難しいのです。
株価を予測するためには、経済指標だけでなく、世界の政治や経済の動向、企業の業績にも注意を払う必要があります。これらの情報を収集して分析するには専門的な知識が必要になります。またトレードする期間が短期か長期かにより経済指標の見方や売買のタイミングや手法も変わってきます。
ここでは、不動産で資産運用するメリット・デメリットをご紹介します。
不動産投資のメリットは、以下の6つです。
不動産で資産運用する場合、融資を受けて自己資金以上の資産を運用できることがあります。不動産の資産価値は大きいため株のように数万円という金額で始められませんが、条件をクリアできれば金融機関から融資を受けて高額物件で資産運用できます。資産運用として取り扱う物件価格が大きければ、大きなリターンが期待できるのです。
不動産は価格変動の幅は小さく、急激に価格が下落することはほとんどありません。株式は1日で大きく価格が上昇したり下落したりということがあります。不動産の価格変動はゆるやかで、1日で大きく変動することはありません。
また、不動産の家賃収入は経済情勢などの影響を受けにくく、毎月の安定した収入になります。長期間にわたる安定した資産運用に向いているのが不動産です。
不動産を購入して賃貸物件として貸し出す場合には物件を管理する必要がありますが、管理会社に委託すれば面倒なことはすべて代行してくれます。購入した後は時間と手間がかからないので、仕事で忙しい人でも資産運用に活用しやすいのです。
管理会社へ委託しておけば入居者の募集や家賃の徴収なども代行してくれるので、時間と手間をかけずに不動産の収益を受け取れます。
資産運用する場合に頭を悩ますことの一つに税金の問題があります。資産運用による収益には税金がかかりますが、不動産による収益は経費を計上して節税できます。株による収益については経費の控除は認められていませんが、不動産の場合いろいろな経費を税額控除できます。例えば、物件を維持したり管理したりするのにかかった費用、減価償却などは、不動産による収益から差し引かれて課税されます。
不動産は株式と違って現物資産を残せます。株式は企業の倒産などにより無価値となるリスクがありますが、不動産は値下がりしたとしても価値がゼロになることはありません。不動産の価値が下落しても現物は残るので、親族が住むこともできるのです。
不動産の家賃収入は毎月安定して入ってくるので、長期的な資産運用には向いています。また、インフレ不況になったとしても家賃収入はインフレ対策になります。株価のように政治や経済の状況により家賃収入は影響を受けないので、将来設計しやすいのもメリットです。
不動産のデメリットは、以下の3つです。
物件のエリアによっては入居者が集まらず空室になることがあります。不人気なエリアの物件や優良でない物件を購入することが、空室リスクが高くなる原因です。
購入する前に慎重にエリアや物件の良し悪しを検討すれば、空室リスクを下げることが可能です。
不動産は価格が大きいため購入するまでに時間と手間がかかりますが、それと同じくらい不動産を売却するのにも時間がかかります。不動産を急に売却したくなったとしても、現金にするまでに数カ月以上の時間がかかります。
これは不動産という資産の性質上仕方のないことであり、慎重に検討してから購入するのが最善の対策です。不動産は長期的視野に立って資産運用していくものだということを理解しましょう。
不動産は物件価格が大きいため資産運用を始めるのに大きな資金が必要になります。ただし、初期費用をできるだけ抑えてリスクを下げる方法はあります。また、条件を満たせば金融機関から満額融資を受けられることがあります。
株と不動産のそれぞれのメリット・デメリットを比較しましたが、どちらが有利と簡単に言えません。資産運用を始める方のライフスタイルや人生設計、準備できる資金などにより変わってくるからです。
株と不動産のどちらが向いているかを自分で判断するのは難しいと思います。そのような場合は、できるだけリスクを低くして不動産で資産運用を始めてみてはいかがでしょう。株のように急な価格変動のリスクもなく、安心して資産運用できるのでおすすめです。