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投資にはリスクがつきもの?不動産投資を始める前に知っておくべきリスクとは

投資にはリスクがつきもの?不動産投資を始める前に知っておくべきリスクとは

不動産投資は勝手にお金が入ってくる、副業でも簡単に始められる、他の投資方法に比べてリスクが低い、といったイメージがあるかと思います。そして、これらのイメージは間違いではありません。

しかし不動産投資ならではのリスクがあることも事実です。資産形成のために不動産投資を始めるのであれば、不動産投資の良い面だけでなくリスクについても把握しておくことが重要になります。

不動産投資のリスクを把握し、きちんと対処した上で投資することで資産形成を成功させることができます。

この記事では不動産投資を始める前に知っておくべきリスクを解説します。

不動産投資にはどんなリスクが潜んでる?

不動産投資には、以下のようなリスクがあります。

どんな投資でも必ず儲かる訳ではなく、一定のリスクを抱えています。

それは不動産投資も同様、きっちりとリスクヘッジをしないと大きな損失を抱えることも。では不動産投資にはどんなリスクが潜んでいるでしょうか。主に注意すべきリスクは以下9項目になります。

  • 空き室が発生する
  • 家賃を滞納される
  • 家賃が下落する
  • 売りたいときに売れない
  • 費用がかかる
  • 不動産価値が下がる
  • 金利が上昇する
  • 地震などの天災が発生する
  • 事故物件になる

上記のリスクについて、それぞれ詳しく見ていきましょう。

空き室が発生する

日本 アパート 空室

部屋を他人に貸すことで家賃収入を得ようとした場合に発生しうるリスクです。これを「空室リスク」と呼んでいます。容易に想像できるリスクかとは思いますが、このリスクを避けるためには設備や立地が重要でしょう。空き室が発生すると、家賃収入がないのに維持費だけはかかることになります。

資金を回収できず赤字ばかりが膨らんでしまうので、入居者が入る物件を購入する必要があります。特に人口が少ない地域の物件などは勝算がないのなら避けた方が無難でしょう。

駅近・築浅・部屋の広さや設備・周辺の商業施設等、入居者が物件選びで気にする点を抑えた上での物件選びが重要となってきます。

家賃を滞納される

家賃をメインの収入源にしようと思った場合、家賃を滞納されると収入が途絶えることになります。本来家賃を支払うのは常識なので滞納する人はそう多くないだろう、と思いがちですが、残念ながら滞納する人も意外と多いのが現状です。

滞納者は追い出したいのですが、日本の法律ではたとえ家賃を滞納している入居者でも簡単に追い出せない仕組みになっています。副業で不動産投資をしている場合滞納者とのやり取りもはっきり言って面倒で、金銭的な問題だけでなく精神的にもストレスが溜まります。

家賃を滞納されて対応に時間をかけてしまうリスクは、金銭面だけでなく大きなリスクと言えるでしょう。このようなリスクは不動産仲介業者がいれば対応してくれますが、滞納しない入居者が入ることが一番良いでしょう。

家賃が下落する

築年数が古くなると、不動産の家賃相場は下落します。都会や駅近物件ほど下落幅は小さいものの、まったく落とさないことはできません。周囲の物件に比べて相場よりも明らかに家賃が高いと、入居者が集まらないからです。

家賃をなるべく下落させない方法は、入居者に長く住んでもらうことです。基本的に家賃は入居時のもので固定されるため、入居者が長年住んでくれればそのままの家賃を維持できます。

売りたいときに売れない

家賃収入ではなく不動産を売却することでまとまったお金を手にしたい場合もあるでしょう。しかし、売りに出したところで希望の価格で買い手が付くとは限りません。結果的に金額を落とすしか選択肢がなくなり、購入時の価格を大幅に割り込み、家賃収入を含めて考えてもトータルで損をしてしまった、といったケースもあります。

長期保有する場合将来価値の予測は難しい上に家賃収入が多くなる分損は少ないかもしれませんが、特に短期で売りに出すならより投資的な面が強まり、リサーチを徹底する必要があります。

投資物件の保有目的も、「家賃収入」「売却益」等はっきりさせた上で購入の検討が必要となります。

費用がかかる

不動産投資をするということは、不動産経営をするということです。当然ながら費用がかかります。初期費用だけでなく、管理費、修繕費、固定資産税など運営していく上では様々な費用が発生するためトータルでマイナスになる月も。また管理会社に委託する委託費もかかるため、家賃収入がまるまる利益になるわけではありません。

費用相場としては、トータルでだいたい家賃収入の2割弱程度かかるはずです。あくまで相場なのでそれより低い場合も高い場合もありますが、2割が一つの目安になります。

不動産価値が下がる

不動産価値下がるグラフ

不動産価値が下がる原因は複数ありますが、経年劣化、土地の魅力低下、景気動向の変化、環境変化、などがあります。経年劣化などは防ぐのが難しいですが、その土地が今後どうなるかなどは念入りにリサーチしておくべきでしょう。

たとえばその街が再開発プロジェクトが予定されていて、人口の増加が予測されるなら不動産価値が上がる可能性があります。逆に人口が減少すると不動産価値は下落します。

他にも、一つの施設などに依存するのは危険です。たとえば人里離れた大学の近くのアパートを購入し、学生に貸し出すようなパターンです。この場合大学が移転するとその不動産に入居する人がいなくなり、一気に不動産の価値が下落してしまいます。

家賃収入がメインの場合も家賃を下げないと人が住まなくなるため、一つの施設のみに依存した収益モデルはリスクが高いと言えるでしょう。

金利が上昇する

不動産投資の直接的なリスクというよりは、不動産投資のために融資を受けた場合のリスクです。変動金利でローンを組むと、金利が上昇して返済金額が増える可能性があるのです。

そもそも金利の低い金融機関でローンを組むこと、低金利で借り入れできるよう信用力を高めておくことなどが重要です。

地震などの天災が発生する

不動産投資は、他の投資に比べて地震などの天災の影響をもろに受けます。建物倒壊だけでなく、火災や地盤沈下などにより土地自体が使えなくなる可能性があります。地震保険に加入するだけでなく、建物の耐震性などもチェックすべきでしょう。

また地震の少ない地域を選ぶ、エリアを分散して収入源を増やしておく、などの対策も重要です。少なくとも一つの不動産にのみ依存するのは危険です。

もちろん資金状況によっては物件一室の保有のみになる場合もあるでしょう。その場合は、津波・土砂災害・地盤沈下等過去のデータを確認した上で慎重に物件選びを行う必要があるでしょう。

事故物件になる

これはあまり考えたくないリスクですが、自分の所有している不動産が事故物件になる可能性もあります。事故物件の定義も告知義務の定義も曖昧ではありますが、たとえば自殺や殺人があった事実を入居希望者に告知しないのは、明らかな瑕疵担保責任違反です。

事故物件になると入居者は集まらず、仮に入居希望者がいたとしても家賃相場よりも大幅に下げる必要があるでしょう。運が悪いとしか言いようがないのですが、他の投資方法にはないリスクです。

リスクを踏まえた上での出口戦略が重要

街並み 高層ビル

不動産投資にリスクがあるのは事実ですが、だから不動産投資は辞めた方が良い、というわけではありません。リスクを把握した上で対処しながら適切な形で不動産投資を行えば、将来の資産形成に有効な手段となります。

他の投資方法よりも手間がかからない、安定した収入が入ってくる、といったメリットもあります。そして不動産投資を行う上でリスク対処と同様に重要なのが出口戦略です。具体的には以下のような出口戦略が考えられます。

  • いつ売るか
  • いくらで売るか
  • 長期的に持ち続ける
  • 自分が住む
  • リノベーションする
  • 取り壊して新たに建物を建てる

以上のような出口戦略があります。要するに、最終的にその不動産をどうしたいのか、ということです。また出口戦略はケース分けして考える必要があり、たとえば物件の価値が上がった場合と下がった場合では戦略が異なるはずです。

他にも自分の経済状況によっても変わってくるでしょう。いずれにしても、いろいろな出口戦略を考えておくに越したことはありません。いろいろな出口戦略を考えても絵に描いた餅だ、という意見もあるかもしれません。

まとめ

様々なリスクを考えて動けなくなることもよくありませんが、いろいろなパターンを考えることは、実際に採用しなくても投資の判断基準として役立ちます。出口戦略を考えることは最初の投資段階の判断にも影響を与えるので、仮に実現しなかったとしてもまったく無駄な作業ではありません。

リスクの書き出しや対処法の検討と同様に、出口戦略を明確化、細分化することが不動産投資成功のポイントです。

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