「本業以外の収入が欲しい」という理由で、サラリーマンの方で不動産投資を検討している方もいるでしょう。しかし、不動産投資といっても、マンション投資やアパート投資などの一棟投資、ワンルームマンション投資をはじめとした区分投資など、いくつか種類があります。
そのため、どの投資がサラリーマンには向いているのか?と疑問に思っている人も多いです。そこでこの記事では、不動産投資の種類ごとに6つの項目で比較し、さいごにサラリーマンにおすすめな投資を解説していきます。
まずは、今回比較するマンション投資・アパート投資(経営)・シェアハウス投資・ワンルームマンション投資の違いを一覧でお見せします。
各項目について以下より解説していきます。また、たとえば築40年のアパート投資と新築のワンルームマンションを比較しても意味がないので、上記の比較は築年数やエリアなどの条件が「同じ」場合と認識ください。
初期費用は以下のような違いがあります。
ここでいう「初期費用」とは、物件購入費用と以下諸費用を合わせた金額のことです。
・ローン関係費用
・登記関係費用
・仲介手数料(中古購入時)
・保険料(火災保険など)
・固定資産税精算分
・不動産取得税
これらの初期費用は、やはり一棟投資の方が規模は大きいので高額になります。その中でも、マンションは鉄筋コンクリート造の物件が大半であり、ある程度規模が大きいため初期費用は最も高額です。
次にアパート・シェアハウスとつづきますが、アパートとシェアハウスのどちらが高額になるかは構造と規模によって異なります。一方、ワンルームマンションは一棟ではなく一室(一部屋)で、かつコンパクトな物件のため初期費用は安価です。
次に、ランニングコストは以下のような違いがあります。
ランニングコストとは、物件運営に関して継続的にかかる以下のコストのことです。
・ローン返済額
・固定資産税や都市計画税
・退去時の原状回復費用
・管理委託手数料
・火災保険料や地震保険料
・管理費修と繕積立金(区分所有)
・共用部の修繕費用(一棟投資)
・税理士への報酬(確定申告を依頼する場合)
・その他経費(物件運営のための交通費など)
上記のランニングコストは、基本的に物件の評価額や規模・構造に連動します。たとえば、固定資産税は評価額によって税額が変わりますし、共用部の修繕費用は規模・構造によって変わります。
そのため、前項と同じくマンション投資・アパート投資・シェアハウス投資・ワンルームマンション投資の順番で、ランニングコストは高いです。また、一棟投資は共用部の管理・修繕を行う必要があるので、ランニングコストが高い上に難易度も高いです。
融資条件は以下のような違いがあります。
融資条件とは、簡単にいうと「不動産投資ローンの審査ハードル」のことです。ローンの審査項目には以下があります。
・借入者の年収や自己資金率
・借入者の勤務先や勤続年数
・借入者の信用情報(延滞歴など)
・物件の担保価値や収益性
総じて言うと、安定してローンを返済できる物件力(物件の収益)があるか?延滞などをしない信頼できる人物か?継続的に安定した収入があるか?という点を審査されます。
物件の収益性があり信頼できる人物だと評価されれば、ローン返済額が少ない方が審査には通りやすいため、物件価格が安価なワンルームマンション投資が最も融資を受けやすいでしょう。
収益性の違いは以下の通りです。
不動産投資の収益は「保有資産額×利回り」で計算されます。利回りは物件によってマチマチなので一概にはいえませんが、保有資産額は基本的には物件価格と連動します。
そのため、相場価格並の適正価格で不動産を購入したという前提で、かつ物件運営に成功しているのであれば、物件価格が高いほど収益性も高くなるのです。
ただし、空室や家賃下落が起きたときには、家賃収入は減っているもののランニングコストは減らないので、物件価格が高いほど損失は大きくなるというリスクもあります。
リスク分散については以下の通りです。
リスク分散の「リスク」とは、空室・家賃下落リスクのことです。一棟投資の場合は複数の部屋を保有するので、仮に1部屋が空室になってもほかの部屋の収入でカバーできます。一方、ワンルームマンション投資の場合は一室しか保有していないので、リスク分散ができないというわけです。
資産価値の比較は以下の通りです。
一棟投資の場合は土地があるので、資産価値は高く保たれやすいです。というのも、たとえば築40年もすれば、鉄筋コンクリート造だとしても建物の資産価値は極めて低くなります。
ワンルームマンションのような区分投資は、土地は保有しているものの、そのマンション全体で共有しているので土地の価値は極めて低いです。
一方、一棟投資の場合は土地も自分だけの名義なので、建物の資産価値が低くなっても土地の価値は残ります。その意味で、一棟投資の方が資産価値は将来的に保たれやすいのです。
前項までで、それぞれの不動産投資の違いが分かったと思います。この点を踏まえ、サラリーマンに向いている物件はワンルームマンションです。その理由は以下になります。
・不動産価格が安価である
・ランニングコストが安価である
・共用部の管理をしなくても良い
簡単にいうと、ワンルームマンション投資は不動産投資の難易度が低いのです。確かに、一棟投資は物件価格(保有資産額)が高い分、収益性が高くなるチャンスもあります。
しかし、ワンルームマンション投資でも黒字運営をすれば収益を上げられますし、物件の運営に成功すれば、新たに物件を増やすことで規模を拡大することも可能なのです
そのため、専業投資家ではないサラリーマンは、まずは難易度の低いワンルームマンション投資からはじめて、さらに収益を求めるなら少しずつ規模を拡大させていくと良いでしょう。
このように、不動産投資といっても、物件の種類によって特徴があります。サラリーマンが不動産投資を行うなら、なるべくハードルが低いワンルームマンション投資からはじめましょう。そこから経験を積み、少しずつ規模を大きくしていくのがベストです。