資産運用トラの巻
 

本当にお得なの?築古物件で注意すべきポイント

本当にお得なの?築古物件で注意すべきポイント

築古物件は経年劣化により価格が下がっていることが多く、上手く運用することができれば高利回りの収益性にも期待できます。

しかし、築古物件はたくさんのリスクも抱えているため、新築購入よりも慎重に検討する必要があります。今回は、築古物件を購入する際のチェックポイントをご紹介します。

築古物件とは

築古物件の定義は特にありませんが、一般的には法定耐用年数を超えている物件を指すことが多いです。参考までに、木造アパートの場合は法定耐用年数は22年、軽量鉄骨(厚さ3mm以下)は19年です。

築古物件のメリット

アルファベット文字のブロック メリット

築古物件は、新築と比べて価格が低かったりと人気ですが、他にもメリットはあります。

利回りが高い

築古物件は価格が下がっていることが多いため、表面利回りが高くなると言われています。表面利回りとは、物件の収益性を表す指標です。

表面利回り=想定される年間家賃収入÷物件の購入金額×100

より収益性を細かくみるためには表面利回りだけではなく、実施利回りも確認するようにしましょう。

表面利回り=年間家賃収入ー年間経費÷物件の購入価格+購入時諸経費

とくに築古物件の場合は、経年劣化による修繕などで新築購入時よりも年間経費がかかることが想定されます。

経年劣化による価格下落のインパクトが小さい

新築の場合は、経年劣化により年々物件の評価額が落ちていきますが、築古物件は、すでに法定耐用年数を超えているためすでに価格が落ち切っている可能性が高いです。突然価格が下落し焦ることはないでしょう。

また、購入価格と売却額の差額が小さいことから、場合によってはキャピタルゲインを獲得できるかもしれません。

そう考えると、新築購入より値下がりの幅が小さい点がメリットであると言えます。

築古物件のデメリット

アルファベット文字のブロック デメリット

築古物件はもちろんデメリットもあります。メリットだけではなくデメリットも理解したうえで、検討を進めるようにしましょう。

融資を受けにくい

融資を出す基準のひとつとして、築年数があります。つまり、築古物件の場合は融資を受けにくい傾向にあると言えます。

空室リスク

入居者を募集するにあたり、築古物件であることはマイナスポイントです。しかし、価格重視で物件を探している人もいるため、家賃を下げて競争力を高めることも戦略のひとつであると言えます。

物件の欠陥リスク

築古物件の場合、購入後に欠陥が見つかることも少なくないです。目検でチェックすることも大切ですが、今までどのような頻度でメンテナンスが行われ、どのくらいの費用がかかっていたかなどを事前にヒアリングしておくようにしましょう。

また、購入後に欠陥が見つかった場合にトラブルを避けるため、契約書の内容を細かくチェックする必要もあります。内容によっては、契約不適合の範囲や期間といった条件を、交渉するようにしましょう。

築古物件で注意するべきポイント

築古物件のメリット・デメリットは大体理解できたかと思います。次は、検討を進めるにあたり、慎重にチェックすべきポイントを紹介します。

物件の状態

築古物件は、経年劣化により状態が悪いことも少なくありません。水の入ったペットボトルやビー玉を使い、傾きをチェックすることが大切です。

また水回りについては特に細かく見ておきましょう。水質検査を行っているかはもちろんのこと、給排水管の工事が直近いつ行われたかも確認しておきましょう。

耐震基準を満たしているか

新耐震基準を満たしていると震度5強程度の揺れでも耐えうる建物であると言えますが、築古物件は新耐震基準を満たしてないことも考えられます。

しかし、旧耐震基準の物件でも耐震工事を行い、新耐震基準を満たしていることも考えられるので事前に確認するようにしましょう。

建て替え予定の有無

築古物件の場合、老朽化が原因で建て替えを予定している可能性があります。

建て替え工事を行う場合は、住民で費用を分割して負担することになるので、事前に建て替えの計画があるか確認しておくようにしましょう。

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築古物件の未来

築古物件を所有している場合の出口として以下3つが挙げられます。

物件の経年劣化状態や資金と相談して未来についても早いうちに検討しておくようにしましょう。

リノベーション

築古物件を残し、間取りや設備、デザインを変える方法です。増築しない場合はとくに申請も必要なく比較的短期間で計画が行えます。

建て替え

築古物件を取り壊して、新たに建物を建てる方法です。一から建て直しになるため、計画や申請、工事含め長い時間を要します。

売却

売りに出す方法です。オーナーの判断ですぐに売りに出すことはできますが、買い手がつくかつかないかは別の話です。すぐ売れる場合もあれば、なかなか売れずに売れ残る可能性もあります。

まとめ

築古物件の基本を説明してきましたが、いかがでしたでしょうか。築古物件は、価格が安いため、リノベーションすれば大丈夫でしょと手を出しやすいかと思いますが、デメリットももちろんあります。また長期的な視点で見ると、短期サイクルで度重なる改修費用が発生したりと、結果新築の方がお得だったなんてこともあり得ます。

築古物件に限る話ではないですが、物件購入においてどれだけ長期的なシミュレーションできるかが成功の鍵となります。自身で納得のできる収益性が見込めるようでしたら、ぜひ購入を検討してみてください。

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