新型コロナウイルスの感染拡大により緊急事態宣言が発令され、一気に世の中が変わりました。株式や投資信託で資産運用をしている人は、株価の大暴落により不安な気持ちになっているでしょう。
一方で、アパート経営で資産運用している人はあまり影響がないと思いますが、今後の経済情勢はどう変化するか予測できません。万が一の場合に備えて、アパート経営においてできるだけの対策をしておきたいところです。
そこでおすすめなのが、アパートローンの借り換えによる金利の引き下げです。しっかりと準備をして借り換えに成功すれば、毎月のキャッシュフローの大幅な改善が期待できます。
この記事では、毎月のキャッシュフローを増やしたい方向けに、アパートローン借り換え交渉のポイントについて解説します。
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アパートローンの借り換えとは、最初に契約したアパートローンの残債務を新しいローンに契約し直すことです。借り換えをする場合は、最初の契約条件より有利でなければ借り換えをする意味はありません。最初に契約したローンよりも低金利のローンへ借り換えることで、毎月の返済額が減りキャッシュフロー改善の効果が生まれるのです。
例えば、ローン残高1億円で残りの返済期間20年間、金利3%の場合、1%金利を下げて借り換えるだけで毎月手元に残るお金は5万円増えます。
借り換えをするためには金融機関との交渉を成功させる必要がありますが、そのためには以下のように交渉をすすめるといいでしょう。
何も準備せずに金融機関へ金利引き下げの交渉へ出向いても、担当者の印象を悪くするだけです。金利引き下げにより、賃貸経営が良好になることを担当者に理解してもらう必要があります。そのためには、以下のことをアピールするといいでしょう。
・現在の経営状態が良好であること
・借り換えによる金利低下でキャッシュフローが増え、経営状態が良くなること
以上のことを口で言うだけでは説得力がないので、根拠となる資料を準備する必要があります。
では、具体的にどんな準備をすればいいのでしょうか。
借り換えを認められるには、金融機関から経営がうまくいっていると判断してもらう必要があります。まずは、賃貸物件がどのくらい稼動しているかを示す毎月の稼働率、さらにすべての期間の平均稼働率を計算します。
計算した稼働率が悪ければ、改善できる手を打つのです。例えば、家賃を安く設定し直したり、劣化しているところがあればリフォームしたりして、稼働率をアップします。金融機関へ相談に行く前に、必ず稼働率を改善して稼働率表を作成しましょう。
次に行なうのが、現在のキャッシュフロー表の作成です。キャッシュフロー表はフォーマットに入力すればできますが、作成したら以下の点を確認しましょう。
・賃料収入を得るのにどれだけの経費がかかり、最終的にどのくらいのお金が手元に残るのか
・空室が発生した場合、どのくらいの空室率までなら黒字を維持できるか
この他、物件の立地条件を示す書類、や返済計画表を作成しておくこともおすすめします。
以上のような準備をして金融機関へ相談すると、担当者は経営状態が良好であり、今後も計画的に賃貸経営していけるオーナーと判断してくれるでしょう。
相談に行く前に、アパートローンを取り扱っている金融機関を探しますが、借り換えには応じてくれない金融機関もあるので注意しましょう。また、物件の所在地が営業エリア外のため、借り換えができない場合もあります。
事前にインターネットで情報収集して、相談する金融機関を絞り込んでおきましょう。こうしておけば、いきなり相談に行ってミスマッチを起こすことは少なくなります。
ただし、融資限度額や返済期間という一般的な情報は金融機関のホームページからわかりますが、金利についてはわからない可能性があります。アパートローンの場合、賃貸経営がどのくらいの規模なのか、またどのような経営状態なのかにより適用される金利が変わってくるからです。
金融機関の絞込みが終わったら、作成した賃貸物件に関する情報の資料を持って金融機関へ相談に行きます。金融機関はすぐに借り換えのシミュレーションをしてくれますが、提示された条件のまま借り換えるのはおすすめしません。
シミュレーションにより提示された条件が記載された資料を、現在ローンを組んでいる金融機関へ持ち込んで金利引き下の交渉をしてみてください。
そこで交渉決裂となってから、シミュレーションをしてくれた金融機関との交渉を進めるのが賢明です。
金融機関との交渉は知識や経験がないと、うまくいかない可能性が高くなります。成功事例に学ぶことが、交渉を成功させる一番の近道です。
以下では、成功事例からわかったアパートローン借り換えのポイントをまとめましたので、参考にしてみてください。
アパ-トローンを途中で解約して他の金融機関で借り換えると、違約金を請求されることがあります。アパートローンを契約した金融機関との契約書を見て、違約金が設定されているかを確認しましょう。
アパートローンを契約した金融機関に違約金の有無について問い合わせると、借り換えを検討していることを気づかれると思います。その場合は「金利を下げたくて借り換えを検討している」「他の金融機関で借り換えの仮審査を通過した」と正直に伝えるようにしましょう。
他の金融機関で借り換える前に、まずアパートローンを組んだ金融機関と交渉しましょう。
取引のある金融機関の担当者は「他の金融機関で高く評価される優良オーナーを奪われたくない」と考えるため、交渉に応じてくれる可能性が高くなります。そうなると他の金融機関で借り換えをしなくても、金利の引き下げができるかもしれません。
交渉しても条件の良い提示がなければ、他の金融機関との交渉を進めればいいだけです。
金融機関と交渉というとギスギスした感じをイメージされるかもしれませんが、決してそんなことはありません。金融機関の交渉担当者も人であり、人とのつながりが大切です。交渉前からアパートローンを組んだ金融機関の担当者との人間関係を良好にしておくと、金利引き下げにスムーズに応じてもらえる可能性が高くなります。
例えば、使う予定のない余剰資金があれば定期預金を組んであげたり、その金融機関で取り扱っている金融商品を購入してあげたりするのです。普段から金融機関の担当者のためになることをしてあげていれば「この人の役に立つことをしてあげたい」と思ってくれるようになります。
新型コロナウイルスの感染拡大により資産運用に消極的になっている人がいるかもしれませんが、アパート経営はほとんど影響を受けていない状況です。ただし、サラリーマンの収入が減少傾向にあるため、新規で大きなアパートローン組む人はそれほど増加しないと予想できます。
優良顧客が他の金融機関でアパートローンの借り換えをしようとすると、ローンを組んだ金融機関は優良顧客を奪われたくないと考えるでしょう。その意味では、アパートローンの金利引き下げを交渉するには、今は絶好のチャンスかもしれません。アパートローンの借り換えを一度検討されてはいかがでしょう。