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築40年以上の戸建ては不動産投資におすすめでない3つの理由

築40年以上の戸建ては不動産投資におすすめでない3つの理由

世の中にはいろいろな不動産投資家がいて、築40年以上の戸建てを高利回りで経営している方もいます。築40年以上のボロ戸建ては数十万円で購入でき、場合によってただで入手できるケースもあるのです。

ボロ戸建てですから家賃は5万円にも届かないことが多いのですが、リフォームをすることで利回りを100%とか150%にできるケースもあります。このような高利回りに魅力を感じて、築40年以上の戸建てをねらって不動産投資をする人もいるほどです。

しかし、堅実な投資には向いていないので、築40年以上の戸建ての購入はおすすめしません。これには疑問を持たれる方もいるでしょう。

なぜ築40年以上の物件が不動産投資に向いていないかは以下の3つの理由からです。

  1. 家賃が低いので担保価値が下がってしまうため
  2. 物件を貸すときのストレスがあるため
  3. 貸したあとの売却が見込めないため

それでは上記の理由を細かく解説していきます。

賃が低いので担保価値が下がってしまうため

家賃と担保価値のバランスを表した家と豚の貯金箱

以前は、自己資金が少なく属性が優れていない人には、戸建て投資はおすすめできる状況でした。戸建てを共同担保にすることでアパート投資へと転換しいくことができたからです。これは間違っていない戦略です。

ところが、最近の不動産投資における融資環境を考慮すると、家賃が低いと担保価値が低く評価されます。そのため、どんな戸建てでもいいというわけにはいかなくなったのです。

現在は銀行の融資条件が厳格化されて、耐用年数を超えた物件についての融資はかなり難しくなっています。公庫でも同じような状況です。

例えば、土地の値段が800万円の場合、400万円で購入したら評価は400万円が上限です。その金額に実勢価格×掛け目を入れて、共同担保としてどれくらいの価値があるのかを評価します。最後に、土地実勢価格、早期処分価格、購入価格の中から最も安い金額を評価額とします。

つまり、路線価200万円の戸建てを20万円で購入すると、共同担保としては20万円と評価されてしまうのです。

共同担保には物件の収益性も評価されますが、家賃が5万円以下の戸建てではそれほどの評価は期待できないでしょう。一般の金融機関でもオリジナルの審査基準は設定していますが、路線価と収益性に対する評価のどちらかのうち低い金額で評価するという基準を設定しているところがほとんどです。

これまでは路線価よりも販売価格の方が低いから購入するというのは正しい投資判断でした。しかし、融資環境が厳しさを増している現状では、以前と同じように簡単には判断できないということです。

戸建て投資においては、家賃の低さは物件の担保価値を下げるため、融資を受ける際の条件が厳しくなるということを知っておきましょう。

※共同担保とは、借金の担保として、複数の土地建物に対して担保を設定することです。

物件を貸すときのストレスがあるため

リフォーム費用を支払う様子を表した手

築40年以上の戸建てを購入して経営する場合、やり方としてはリフォームして貸すか、DIYをOKとしてそのまま貸すかの二択になるかと思います。

貸すことはできますが、それぞれ自分への負担(ストレス)があるので正直おすすめできません。具体的な理由をみていきましょう。

(1)リフォームして貸す場合

築40年以上の戸建てとなると状態が良い物件はまれで、いろいろと修理が必要な部分があるはずです。木造住宅は築40年を過ぎると雨漏りすることが多く、放置していると建物はどんどんもろくなっていきます。

ではリフォームすれば問題が解決できるかというと、そうでもありません。築40年以上の戸建ては家賃を高く設定できないため、リフォームに投じた資金を回収することができないのです。

築40年以上の戸建てとなると数年もてばいいところで、雨漏りの修繕だけでなく、外壁の修繕なども必要になってくるでしょう。

築40年以上の戸建てをリフォームして貸すことには、かなりのストレスになることを知っておいてください。

2)DIYをOKとしそのまま貸す場合

築40年以上の戸建てをリフォームしないで貸し出すといいう方法もあります。一切修繕しないで貸すのですから、家賃は1万円ほどになるケースもあります。DIYしてもいいという条件で借り手を探すケースです。

相手との交渉はすべて自分でしなくてはならないので、手間はかかります。交渉がうまくいかなくてストレスを感じることもあるかもしれません。

世の中にはいろいろな投資家がいて築40年以上の戸建てで廃墟のような物件でも好んで購入する人はいます。高利回りで運用されるケースもありますが、リフォームのことを考えると難しいのが現実です。

初心者は不動産投資についていろいろと学ぶことがあり、できれば余計なストレスを感じることがないようにすることをおすすめします。

貸したあとの売却が見込めないため

不動産が売却できずに悲しい鍵の様子

戸建てで投資する場合、スピードのある投資は期待できません。少なくとも5~6年は保有して家賃を回収できてから売却すれば、投資のスピードは出できます。そのため戸建てに住みたいという人に売却できれば、自己資金を増加できます。

投資家に売却するという選択肢もあるのですが、投資家は利回りにこだわります。利回りを考慮した価格でないとなかなか購入してくれないのです。

いずれにしても築40年以上の物件を数年保有してから売却しようとすると、築50年近い物件になっています。そんな古い戸建てを購入しようという人を探すのは難しいでしょう。

また低い家賃の戸建ての入居者には、物件を買い取ってもらうことは期待できません。

以上のような理由から、築40年以上の戸建てで投資するのはおすすめではないのです。

【例外あり】立地条件が良ければ土地活用が出来る

土地を検討する男性二人

ここまで築40年以上の戸建ては投資対象としておすすめではない理由について解説してきましたが、例外的に投資できるケースがあります。それは土地売りできるほど立地条件が良い戸建てです。

建物がボロなら解体して土地だけ残すことができ、立地条件が良ければ新たな戦略で不動産投資ができます。物件価格、リフォーム費、解体費などすべてを回収できさえずれば、ただで土地を入手したのも同然です。土地に新築戸建てを建てて賃貸をすることもできます。

また、市街化区域や長期的に賃貸物件が多くできそうなエリアにある築40年以上の戸建てを購入すれば、長期的な不動産投資をしていくことができます。短期的な視点だけでなく長期的な視野による不動産投資を展開することも一つの選択肢です。

長期的に不動産を保有することで、その土地の価値を高め、地域社会のために役立てることができます。

立地条件が良ければ土地だけでも売れ、新築物件を建てて賃貸することもできます。焦って短期間で資金を回収しようとする必要はなく、長期的にじっくりと不動産投資できるのです。

まとめ

築40年以上の戸建ては不動産投資におすすめでない理由について解説しましたが、大切なことは自分が惚れ込んだ物件を購入することです。

投資した資金を短期間で回収しようと焦ったりしないで、長期的に家賃収入を回収して、リフォームもできなくなったら新築を建てるくらいの気持ちで不動産投資に取り組みましょう。

築40年以上の戸建てはトラブルも多くストレスを感じるため、苦労の多い不動産投資になる傾向があります。自分が望んでいるのはどのような投資スタイルかを確認した上で、投資戦略を立ててじっくりと物件を選びましょう。私達が最適な方法を一緒に考えさせていただきます。

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