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失敗事例から学ぶ!ワンルームマンション投資の落とし穴

失敗事例から学ぶ!ワンルームマンション投資の落とし穴

自己資金が少なくても始められる点や、管理に手間がかからないことが理由でサラリーマンにも人気なワンルームマンション投資ですが、失敗してしまったという声も少なくはありません。

今回は、手軽にスタートできるからこそ落とし穴の多いワンルームマンション投資について、失敗事例も踏まえながら解説していきます。

ワンルームマンション投資の仕組み

ワンルームマンション投資とは、マンション一棟のうち購入した部屋を賃貸に出し、その家賃で収入を得る投資方法です。マンション購入時は、金融機関から融資を受けることが多く、家賃収入から金融機関への返済額を差し引いたものが利益となります。

しかしマンションを運営する管理会社への支払い、入居者募集の広告費、保険料、固定資産税などさまざまな費用が発生するため、実際手元に残る利益はもっと少なくなります。

ワンルームマンション投資が人気なワケ

ワンルームマンション投資で成功するための3つのコツと初心者におすすめな5つの理由

ワンルームマンションは他のマンションに比べて室内面積が小さいため物件価格が安く、また室内面積が小さいことにより、不動産取得税や固定資産税も安くなります。

このように、他のマンションに比べ初期費用がかからないことから、融資が受けやすく、はじめるのにハードルが低く感じるのです。

また、将来的に物件を売却できるという点も人気な理由のひとつです。ワンルームマンションは駅からのアクセスや周辺環境が良かったりと人気エリアに建っていることが多いため、売却しやすいです。まとまった資金が欲しいときに、売却できるという点は大きなメリットのひとつであると言えるでしょう。

ワンルームマンション投資の落とし穴

しかし、簡単に始められるからこそ落とし穴がたくさん潜んでいます。この落とし穴をしっかりと理解したうえで、検討するようにしましょう。

ワンルームマンション投資で気をつけるべき9つの注意点

空室リスク・滞納リスクと隣り合わせ

収入に直接つながるのが空室リスクです。もちろん借り手がおらず空室が生まれるとその期間収入が入ってきません。

空室を発生させないためには、物件の立地や周辺環境が魅力的であることに加えマンションの管理が行き届いていることが大切です。

ワンルームマンション投資の収入シミュレーションをする際は、このような空室による収入減も想定しておかないと、投資資金の回収に遅延が発生するなどしてしまい失敗につながることがあります。

また空室リスクと同じく、家賃の滞納リスクもあります。借り手がついたとしても、家賃の滞納があった場合、その期間収入が入ってきません。ですので、入居審査や入居者との交渉事などしっかりと行ってくれる信頼できる管理会社を見つけることが大切です。

赤字でも長い目でみれば問題ないと思ってしまう

マンション投資のセールス電話でよくあるのが、「赤字でも心配するな。立地さえよければ長期的な需要が見込めるから安心しろ。」といったものです。しかしながら、借り手がつき空室回避できたとしても、購入時の収益性が低かった場合は危険です。物件は経年による家賃下落を避けることができないからです。

購入時が収支ゼロもしくは赤字だったとして、将来的に家賃の下落は避けられないので収支が悪化していくことでしょう。

節税効果は期待するほどでもない

マンション投資のメリットとしてよく挙げられる節税対策ですが、ワンルームマンション投資に期待をするのはやめたほうがよいでしょう。

不動産投資において節税対策となる条件として

  • 所得税率が高い人
  • 減価償却期間が短期でかつ減価償却費用が大幅にとれる物件

という点があります。しかしワンルームマンションは、RC(鉄筋コンクリート)造であることから減価償却期間が長期にわたるため、毎年の税還付金額は期待できません。

避けられない災害リスク

ワンルームマンション投資で避けられないリスクのひとつとして災害リスクが挙げられます。地震や台風によりマンションが被害を受けた場合、修繕期間中、入居ができないことを理由に収入が入らなくなる可能性もあるでしょう。

このようなリスクを事前に理解し、十分な修繕積立金を用意していくことが大切です。

失敗事例

ワンルームマンション投資における落とし穴がきっかけで失敗してしまった事例を紹介します。事前に失敗事例を知ったうえで、投資の検討を進めていきましょう。

周辺環境の調査をしきれず空室が発生してしまったパターン

大学が近くにあったため学生の入居を予測し、ワンルームマンションを購入。当初は学生の入居で空室はなかったが、数年後に大学のキャンパスが移転。それと共に学生も引っ越し、空室が多発してしまった。その後、入居者もなかなか決まらず収入が入らない期間が長く続いた。

ワンルームマンションは単身向けであるため、ファミリー向けに比べて入退居が激しいです。そのため、周辺環境の調査はより重要になってきます。

大学の有無、商業施設の有無、最寄り駅の路線数や乗降者数などの情報を事前に調べておくことはもちろん、今後の動向まで調べておくことで入退居の間がなるべく開かないようにしましょう。

支出シミュレーションが甘かったパターン

物件購入時のローンや管理費用など目先の支出はもちろん見込んでシミュレーションを実施。しかし、入退居を繰り返すにつれ思った以上に部屋の修繕費がかかった。その結果、シミュレーションで想定していなかった支出が多く発生し、収支が読めなくなってしまった。

事前の収支シミュレーションはできるだけ長期で試算しましょう。

マンションの一棟購入ではないため、設備の修繕費など甘く試算しがちですが、入退居が繰り返されるに伴い、物件は経年劣化していきます。退居時の修繕費用や、マンション内設備の入れ替えなど、できる限り長期でシミュレーションに組み込んでおきましょう。

まとめ

投資の中でも比較的ハードルが低いと言われるワンルームマンション投資ですが、だからこそ落とし穴が多いといっても過言ではありません。

今回、ワンルームマンション投資における落とし穴と失敗事例を紹介しました。その中でもお話した通り、物件の周辺環境調査や、支出シミュレーションはとても重要となります。事前にこういった失敗事例があることを理解し、ワンルームマンション投資をするか検討を進めましょう。

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