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不動産投資で節税できるって本当?不動産投資における節税方法やメリットとは

不動産投資で節税できるって本当?不動産投資における節税方法やメリットとは

老後2000万円問題などが囁かれる近年、短期的に利益を得る投資ではなく老後資金のために長期での投資を行う人が増えています。年金だけで将来生活できるかわからないこの時代、必要な選択肢でしょう。

投資商品は様々で一般的なのは株式購入、FX、不動産投資などが挙げられます。どれから始めればいいかわからない…という悩みを抱えている方、節税対策としても一役買う「不動産投資」を選択してみてはいかがでしょうか?

そこで今回は、不動産所有でどのような節税が可能なのか、また不動産投資を行うメリットを紹介します。

まずは不動産投資におけるメリットを紹介

不動産投資のメリット 不動産の値上がりグラフ

不動産投資のメリット

収支がマイナスの場合、節税が可能。

不動産投資では、所得税や住民税、贈与税、相続税を節税することが可能です。

「不動産投資は節税が可能」ということを聞いたことがあるかと思いますが、仮に不動産投資で赤字が出た場合、その額に応じて所得税・住民税の節税が可能です。

ただし、不動産収益がプラスになっている場合は節税ができないため、投資という観点でこの節税がプラスではないことは認識する必要があります。

不労所得が得られる

不動産投資を行う際、不労所得を目的とする方が一番多いでしょう。

主に「売却時の差益で利益を得る」「入居者に貸し出すことで収入を得る」の2パターンの投資方法。

長期での投資を検討されている場合、「入居者に貸し出すことで収入を得る」不動産投資を行うことをお勧めします。

先述の通り赤字になった場合でも節税が可能。また不動産の価値・賃料というのは、世の中の物価の動きに連動しているため、今後長期的にインフレが起きた場合でも連動した形で資産を保有することが可能です。

【例】

40年後に貨幣価値が10分の1になった場合、

4000万円の現金を保有→400万円分の価値に下がる

4000万円の不動産を保有→4000万円分の価値を保つ

長期的な視点で不労所得を得る目的に合わせて、価値低下も防ぐことが可能なため投資全般の話ではありますが現金保有よりも良いとされています。

投資規模が大きいため収益が大きい

不動産投資は購入額が高い分、売却益や家賃収入が大規模になります。

もちろん初期費用が大きくなるため、一定のハードルはありますが条件を揃えた上で物件を抑えることができれば、長期的に大きな収益を得ることができます。

不動産投資でできる節税とは

不動産投資をする際、何も考えずに運用しているとキャッシュフローが黒字でも効率の悪い運用になる可能性があります。

単純に入居者に部屋を貸すだけの利益ではなく、節税という観点も含めて運用するようにしましょう。

ここまで不動産投資におけるメリットをご紹介しましたが、「不動産で節税」はどのような仕組みになっているのか解説します。

所得税・住民税の節税

不動産投資において毎月入ってくる家賃収入、その収入に対して運用でかかる経費を差し引いた利益に対して「所得税」がかかります。

もちろん支払いを避けることはできませんが、仮に差し引いた額が赤字になり、本業で所得税を収めている場合は「所得税の還元」を受けることができます。

そのほかにも会社員として会社員として本業の所得がある場合、投資での損失と合わせることで課税対象になる所得を減らし、所得税を減らすことができます。

【例】

会社員としての給与所得ー不動産所得で発生する赤字=課税対象となる所得

・会社員としての給与所得:700万円

・不動産所得で発生する赤字:100万円

700(万円)ー100(万円)=600(万円)

課税対象となる所得は600万円

上記のように、結果的には課税対象となる所得額および税率を下げることができるため所得税を節税できるのです。

また所得税が下がることにより、住民税も連動して抑えることができます。

住民税は所得に応じて算出されるため、不動産所得がマイナスになるのであれば所得税と住民税のどちらも節税できることになります。

不動産投資は投資を始めて数年、利益以上に経費としてお金が出ることが多く赤字になりやすいと言われています。その分、会社員としての給与所得と相殺することで住民税と所得税を節税することが可能です。仮に不動産投資で黒字収益を得られた場合にはこのような節税はできないため注意が必要です。

また不動産投資においての節税というのはあくまで主の目的ではなく、収益を得ることを第一に考えるべきでしょう。

トータルコストを含めると、投資としてはマイナスになっていることを理解しましょう。

相続税の節税

仮に現金をそのまま相続した場合、額面の金額が相続税を算出する際の基準となります。

しかし不動産投資における場合、土地・建物を「賃貸用不動産」として相続することが可能となっており、現金と比較して相続税の評価額を下げることが可能です。

仮に現金を4000万円相続する場合、相続税の算出に用いられる相続税評価額はそのままの額4000万円となります。

不動産投資で賃貸用に保有している物件の場合、評価額は低くなるため算出する際の評価額も低くなり、結果的に相続税を抑えることができるのです。

条件が揃った場合には、相続税を約3分の1まで抑えることも可能なため、相続する資産としては有効でしょう。

節税目的での不動産投資は正しい?

納税イメージ

不動産投資において節税は大きなメリットとなり、それを目的に投資する人も増えています。もちろん相続税の節税など活用によっては大きな減額も可能ですが以下のことも理解しておきましょう。

減価償却費による節税期間を把握する

不動産ではコストとして、「減価償却費」が大きな比重を占めています。これを費用として活用することで節税に繋げることが可能です。

減価償却は10万円以上の価値をもつ固定資産において、時間の経過に応じて分割して費用計上することを指します。

これにより「劣化」による財産価値低下分を経費計上することで、利益を減らし税額を抑えることが可能です。

ただし注意が必要なのは、減価償却費の費用計上は「法定耐用年数」が上限となっており、期間をすぎると経費計上ができなくなります。

投資が順調な場合は節税効果が薄い

先述の通り、所得税や住民税においては損益通算で損額が出た場合に節税が可能となります。不動産投資初年度においては修繕費用や保険料等様々な経費がかかるため、赤字になることも多く、その分会社員としての給与所得から課税対象額を減らすことができます。

赤字が続いた場合には上記の節税を続けて受けることは可能ですが、投資としてみるとマイナスのためトータルではうまく運用できていません。

また二年目以降で諸経費がかからなくなり、運用が順調に回ると黒字化が進み課税対象額を減らすことが難しくなります。

まとめ

不動産投資において節税は有効な手段であることは間違いありません。

しかし節税目的で不動産投資を行う場合、中身を理解していないと投資としてトータルで損をしてしまいます。

節税はあくまで副目的であり、不動産投資の主目的は投資による利益を得ることだということを認識した上で検討しましょう。

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