資産運用トラの巻
 

積立NISAの解約を検討されている方へ!解約以外の5つの対策を解説

2020年3月、コロナショックにより株式相場は大暴落しました。その後、日経平均株価は持ち直しましたが、実体経済へのダメージは大きく、今後は経済が収縮して失業者が急増することが予測されています。

このような状況から、資産運用として積立NISAを利用していた人の中には、投資信託を売却しようと考えている人もいるでしょう。積立NISAを解約すれば損失のリスクがなくなると思うかもしれませんが、デメリットもあるので注意が必要です。解約という選択肢以外の対策をすれば、デメリットを回避できます。

この記事は、積立NISAの解約を検討されている方向けに、解約以外の5つの対策を解説します。

■積立NISAは少額投資非課税制度

積立NISAは、2018年にスタートした少額投資非課税制度です。2014年に始まった一般NISAと同じように、毎年の非課税投資枠が決まっていて、その限度額内の投資により得た利益や分配金に対しては税金がかかりません。

各制度の概略は、以下の表のようになります。

<table border>

<tr>

<td></td>

<td>非課税投資枠(年間)</td>

<td>投資期間</td>

</tr>

<tr>

<td>一般NISA</td>

<td>120万円</td>

<td>最長5年</td>

</tr>

<tr>

<td>積立NISA</td>

<td>40万円</td>

<td>最長20年</td>

</tr>

</table>

積立NISAにおいて課税されないのは積立投資だけです。積立NISAは長期間にわたって活用できるので、分散投資で長期間にわたって資産運用するのに向いています。

ある程度まとまった資金を個別銘柄で資産運用したい場合は一般NISA、少ない資金で毎月一定額を積み立てて資産を構築していきたい場合は積立NISAというように選択するのがおすすめです。

■積立NISAを解約する前に知っておくべき2つのこと

積立NISAを解約したい場合もあると思いますが、解約前に以下の2つのことを知っておきましょう。

(1)途中解約にはデメリットがある

積立NISAは20年間という長期間にわたって非課税の恩恵を受けられるのが最大の特徴です。長期間にわたって積立分散投資できるので、コツコツと資産形成できます。しかも利益について課税されないのです。

積立NISAは時間をかけることで利益を生み出していくので、途中で解約してしまうとそれまで積み上げてきた時間が無意味なものとなります。積立NISAを利用する場合は、できるだけ途中で解約しないのがベストの選択です。

(2)非課税枠は元に戻らない

積立NISAの非課税投資枠は年間40万円ですが、途中で解約すると非課税枠が戻りません。

例えば、2020年にすでに20万円の非課税投資枠で投資信託を購入すると、2020年の非課税投資枠の残りは20万円だけです。既に購入済みの20万円の投資信託を売却しても、非会税投資枠の残りは20万円のままで40万円に戻りません。2021年になれば、非課税投資枠は40万円に戻ります。

■積立NISAを解約しなくても対策できる

積立NISAを途中で解約してしまうと、その年度の非課税投資枠は復活しません。どうしても現金が必要な場合は投資信託を売却するしかありませんが、そうでなければ解約しないで別の方法で対策した方がいいでしょう。

解約以外の対策としては、以下のような方法があります。

(1)積立額を変更する

積立NISAで毎月積み立てる金額は、年間40万円の非課税投資枠の範囲内であれば変更できます。貯金がなくてどうしても現金がほしい場合は、積立額を少なくしてお金を手元に残せばいいのです。

積立NISAを解約するのはデメリットがあるので、できるだけ途中解約は避けた方がいいでしょう。積立NISAは100円からでも積み立てられるので、経済的事情により積み立てが困難になった場合は積立額を減額して対応しましょう。

(2)銘柄を変更する

購入した投資信託のリターンが良くないので解約したい場合は、銘柄を変えるという方法もあります。リターンが良くないからといって、すぐに積立NISAを解約するのは避けるべきです。

銘柄の変更を申込んで実際に反映されるのは、毎月積み立てている場合は申込んだ月の翌月になります。積立NISAは長期期間にわたって保有していけば、トータルでプラスにできる投資手法です。リターンがいまいちだからといってすぐに売却しないで、じっくりと保有すればリターンの改善が期待できます。リターンの良い銘柄へ変更したい気持ちは理解できますが、解約については慎重に判断しましょう。

なお変更の内容についてですが、保有している投資信託を売却して新しい銘柄を購入することはできません。これまでに購入してきた銘柄の購入を停止して、別の銘柄を購入できるだけです。

これまで購入してきた投資信託は残るため、リターンが改善して収益性がアップする可能性もあるので安易に売却するのはやめましょう。

(3)新規の積立をしない

金銭的事情により積立ができなくなった場合、新規の積立をしないという方法があります。ただし、途中解約にはデメリットがあるので、これまで購入した投資信託は売却せずに保有していきます。

一時的に新規の積立を停止するのであって、お金の余裕ができたら積み立てを再開することは可能です。

(4)別の金融機関へ変更する

現在利用している金融機関に希望の商品がないからといって、解約するのはおすすめではありません。そのような場合は、別の金融機関へ変更することをおすすめします。別の金融機関へ変更する際には、次の2つのことに注意しましょう。

①金融機関の変更受付期間は決まっている

金融機関の変更受付期間は決まっています。受付期間を変更したければ、前年の10月1日から変更したい年の9月30日までに手続きをする必要があります。つまり、9月30日までは翌年の変更について受け付けてくれないということです。10月1日から12月末までの間に変更手続きした場合でも、それが反映されるのは翌年からになります。

変更には必要な書類がいくつか必要なので、早めに準備しましょう。

②変更する場合の注意点

金融機関を変更する場合、次の3点に注意しましょう。

・過去に一度でも非課税枠を利用するとその年度の金融機関の変更は不可能である

・変更後は、変更前の金融機関のNISA口座で金融商品は買えない

・変更前の口座で保有していた商品を新口座で保有することは不可能である

(5)一部だけ解約する

どうしてもお金が必要で、購入した投資信託を現金化しなくてはならないケースもあります。そのような場合は新規の購入をやめて、保有している投資信託の一部を売却するといいでしょう。

■積立NISAを解約する場合の2つの注意点

ここまで積立NISAを途中解約するデメリットを紹介しましたが、どうしても解約せざるを得ない場合もあります。解約する場合には、次の2つのことに注意しましょう。

(1)手数料がかかるケースがある

投資信託を解約すると解約手数料がかかります。積立NISAで購入できる投資信託の解約手数料は無料の銘柄もありますが、低めに設定されていて銘柄がほとんどです。解約すると手数料がかかるケースもあるのを知っておきましょう。

(2)解約しても税金はかからない

積立NISAを解約するとお金が戻ってきますが、そのお金に対して税金はかかりません。積立NISAには非課税投資枠があるのですから当然のことです。税金のデメリットはないことを知っておいてください。

■まとめ

積立NISAを解約すると、お金と時間が失われるリスクがあります。すぐには解約しないで、他の方法でしのげないかを検討してみましょう。ただし、どうしても現金が必要な場合は、解約もやむを得ません。

もし解約して他の金融商品での資産運用をお考えでしたら、不動産はいかがでしょう。毎月安定した収益が入ってきて、投資信託より大きなリターンが期待できます。最近では、少額から不動産投資を始められるサービスもあるので、資産運用にはおすすめです。この機会に不動産による資産運用を検討してみてください。

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