資産運用トラの巻
 

2024年スタート!新NISAの仕組みや変更点について解説

緊急事態宣言が解除され一段落したかと思いますが、世の中はアフターコロナへ向けて動いています。新型コロナのパンデミック騒動で将来に不安を感じて、NISAで資産運用を始めようと考えている方もいるでしょう。

現在、NISAには3種類の制度がありますが、2019年12月に2024年から変更されると発表されました。NISAで資産運用を始める前に、どのように変更されるか知りたい人は多いと思います。

この記事は、NISAによる資産運用を検討されている方向けに、新NISAの仕組みや変更点について解説します。

人生100年時代を前提とした改革

NISAは、1年間に一定金額までの投資金額について非課税とする制度で、2014年にスタートしました。当初は一般NISAだけでしたが、ジュニアNISA、つみたてNISAの順に種類を増やしてきました。それぞれの制度ごとに、投資額の上限や対象商品、非課税扱いとなる期間などに違いがあります。

3種類の中で一番口座数が多いのは一般NISAで、2019年12月末の時点で約1170万口座を超えています。3種類のNISAを合計すると約1400万口座で、人気のある制度と言っていいでしょう。

そんなNISA制度が2024年に変更されることが、2019年12月に決定されました。今回変更したのは、人生100年時代に合わせて家計の安定的な資産形成をサポートしていくためだと政府は言っています。

一般NISAの変更点とは 

2024年の変更では、一般NISAが新NISAという呼称へ変更することが決定しました。内容も大幅に変更されましたが、メインとなる変更点は以下の3つです。

非課税になる投資額の上限の変更 

一般NISAでは、1年間の上限額120万円までの利益が非課税とされています。一方、2024年にスタートする新NISAでは、上限額が2階建てに変更される予定です。

2階建てとはどういうことかを説明します。

まず1階部分は1年間20万円まで、2階部分は1年間102万円までの投資が可能で、それぞれ投資で得られた利益が非課税となるのです。現行制度と比較すると、1年で2万円、5年で10万円を多く投資できるようになります。

非課税期間については、どちらの制度も5年間で変更はありません。その年に購入した投資信託や株をすぐに売却しても、非課税となる金額は元に戻らないという点も変更なしです。

投資対象の変更 

一般NISAが投資できる対象は、上場株式・ETF・REIT・投資信託などで、2024年スタートの新NISAでも原則として同じです。ただし。1階部分と2階部分では、投資できる対象に制限が設けられています。 

1階部分で対象となっている資産は、積立NISAで対象となっている投資信託だけです。日本で購入できる投資信託は6000種類ほどのありますが、積立NISAで対象となっているのは170本ほどの投資信託で、金融庁の厳格な審査をクリアしています。初心者のうちは選択する投資信託の数が多いと迷ってしまうものですが、170本ほどの限られた数ならそれほど迷うことはないでしょう。

一方、2階部分の対象は株式や投資信託であり、一般NISAと同じです。ただし、一般NISAとは若干異なり、上場廃止になるリスクのある株式や長期投資に不向きなハイレバレッジの投資信託などは対象外となっています。実際に新NISAに変更された場合、どういう投資信託が除外されるのかを現在議論中です。

このように階層ごとに投資対象に制限が設けられていますが、1階部分に投資せずに2階部分へ投資することは原則として禁止されています。

なお株式だけに投資するケースは、申請を条件に2階部分の投資だけできる例外があります。ただし、2階部分の非課税となる年間投資額の上限は、102万円のままなので注意してください。現行の上限120万円にメリットを感じていた人は、メリットが小さくなったと思うかもしれません。

投資期間とロールオーバーの変更 

投資期間についてですが、一般NISAが適用されるのは2023年までです。2024年から2028年までの5年間は新NISAが適用されます。

すでに一般NISAの口座を保有していれば、2024年になると手続き不要で新NISA口座へ切り替わります。現在一般NISAの口座を保有している人にとっては、投資できる期間が5年延長されたという見方もできます。

一般NISAを利用されている方は知っていると思いますが、一般NISAにはロールオーバーというルールがあります。これを活用すると、一般NISAで5年間運用してきた株や投資信託を次の年の投資枠へ移行して非課税運用期間を最大10年間まで延長できるのです。

ただし、このルールには欠陥があり、2019年より後に購入した株や投資信託にはロールオーバーを適用できませんでした。 

ところが、新NISAが登場したことにより、2019年より後に購入した株や投資信託を新NISAでロールオーバーすることが可能となったのです。この変更により非課税が適用される期間が最大で10年に延長されました。

さらに新NISAの1階部分が適用される投資信託も、5年の非課税期間が終わった後でも積立NISAへロールオーバーすることが可能になるようです。積立NISAの非課税期間は20年間なのでロールオーバーを適用すると、新NISAの5年と合計して最大25年に非課税期間を延長できます。

積立NISAの変更点 

積立NISAは投資信託に投資できる期間が5年間延びて、2042年までになるようです。今の制度では2018年から2037年までが投資できる期間でした。ところが、このルールでは遅く投資を始めた人の期間が短くなるため、年数や投資額が不公平になるのは問題とされていました。

そこで、2024年の変更において積立NISAの投資期間を5年間として、2042年まで投資期間が延長されたのです。その結果、2020年に投資を始めれば、2042年には40万円×23年間で最大920万円の投資信託が非課税の対象になります。 

ジュニアNISAは終了 

一般NISAや積立NISAは2024年に変更されることが予定されていますが、ジュニアNISAは2023年に終了することが決定しています。ジュニアNISAは未成年者や孫を対象に年間最大80万円までを非課税で投資できる制度ですが、利用者があまりいませんでした。

ジュニアNISAのルールでは子どもや孫が18歳になるまで口座から出金できないのが原則ですが、2024年以降は制限が撤廃されて非課税で出金できるようになります。

まとめ

簡単ですが、2024年にスタートする新NISAについて解説しました。NISAは非課税というメリットを活用できる制度であり、長期投資をするのに適しています。これから資産運用を始める初心者には、コツコツと少額投資していく積立NISAがおすすめです。

ただし、株や投資信託が投資対象なので、新型コロナウイルスの感染拡大のようなことが発生すると、大きな影響を受けます。そのようなリスクに不安を感じるのでしたら、居住用マンションへの投資を検討されてはいかがでしょう。住居は人の生活の中心であり、生きていくために必要不可欠です。そのため居住用マンションの家賃相場は、不況の影響を受けにくい傾向があります。この機会に居住用マンションへの投資で、資産運用してみてはいかがでしょう。

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