不動産投資を検討している人の中でREIT(リート)と聞いたことある方も多いのではないでしょうか。
高額の物件を購入し、賃貸に出すことでその家賃収入を得るという不動産投資を、少額から始められるのがリートです。今回はリートについて基本的な情報をお伝えします。
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リートとは、Real Estate Investment Trustの頭文字をとったものです。投資家から集めたお金で物件購入し、その物件から得られる家賃収入や売却益を投資家に還元する仕組みになっています。
つまり、投資家はリートを通じて間接的に物件のオーナーとなり、利益を得ることができるのです。海外のリートと区別するために、日本ではJ-REITと呼ばれることが多いです。
リートでは、関係各所を取りまとめる役割である不動産投資法人という会社があります。具体的には、投資証券を発行し証券取引所に上場することで投資家から資金を募る業務や利益を投資家に分配する業務を担っています。
運用自体は、不動産投資法人で行うことが法律で禁止されているので、資産運用会社や資産保管会社、事務受託会社に委託しています。
リートでは以下不動産を取り扱っています。以下不動産のうち2種類を組み合わせたものを複合型、3種類以上を組み合わせたものを総合型と呼び、投資地域も選ぶことができます。そのため、国内だけではなく海外の不動産に投資することも可能です。
景気の影響を受けにくいため、安定していることが特徴です。しかし、逆に景気が良くても賃料を上げることが難しいとも言えます。
企業相手のため、景気や業績の影響を受けやすいのが特徴です。
ホテルの売上によって賃料収入が左右されやすいのが特徴です。
景気変動の影響を受けにくく、一度借りると長い間契約が続くため入れ替わりが少なく安定しています。
ショッピングセンターや百貨店を指します。ホテルと同様に売り上げの影響を強く受けます。
実物不動産投資を始めるには、物件購入や共用部分の修繕積立費用など最初からまとまった資金が必要です。しかしリートでは、数万円単位の少額から始めることができます。また、売却についても市場を通じて取引ができるため簡単に行えます。
リートは、オフィスビルやホテル、マンションなど複数の不動産を組み合わせた商品もあるため、一商品で複数の不動産に分散投資を行えることがメリットです。
実物不動産投資についても、物件の維持管理を不動産管理会社に委託することもできますが、購入時の物件選定や内見などについては自身で行わなければなりません。リートはそういった物件購入までの手間はもちろん、維持管理や入居者募集についても専門家が行ってくれる点がメリットです。
リートは投資法人が倒産した場合、株式が紙切れになってしまうリスクも抱えています。保有している不動産を売却することでお金が戻ってくる可能性もありますが、大きな損害を被ることは避けられません。実物不動産投資の場合は、不動産の価値が突然下がることはあまり考えられません。
リートは少額で不動産オーナーになることができるものの、実物不動産を持つことができない点が大きなデメリットです。実物不動産を持っていると、賃貸に出して家賃収入を得ることだけでなく、不動産に住むなどさまざまな活用方法を検討することができます。
リートの分配金は、株式同様に配当所得にあたります。しかし、リートの場合は配当に対しての配当控除が適用されない点には注意してください。
リートについての基礎知識を読んでみて興味を持った方向けに、J-REITの買い方を説明します。
リートは、株式同様に証券会社の店頭やネットで購入することができます。複数の証券会社を並べて、手数料などの情報をもとに選定します。
選定した証券会社で口座開設します。
購入する銘柄を選びます。銘柄を決めたら、銘柄コード・価格・購入数量を証券会社に伝えます。店頭でもネットでも注文は可能です。
取引成立すると、売買代金と手数料が開設した口座から引き落とされます。また、証券会社より取引報告書が発行されます。
リートについての基本的な知識が身についたでしょうか。実物不動産を購入するよりも少額で始めることができるため、ハードルが低いと人気を集めていますが、もちろんデメリットもあります。
リートの場合はいくら多額の資金を投資しても実物不動産を手に入れることはできません。メリットとデメリットをよく理解することで、自分にはリートの方が向いているのか、実物不動産を所有したほうがいいのかよく検討するようにしましょう。