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家の住み替えは収入獲得の元!ヤドカリ投資が有益な投資手法である理由とは

家の住み替えは収入獲得の元!ヤドカリ投資が有益な投資手法である理由とは

不動産投資と言っても手法は様々でマンション一棟を所有して家賃収入を得る、ワンルームを貸し出して家賃収入を得る。購入物件を売却して差益を得るなど複数の手法が存在します。

その中でも増えつつあるのがヤドカリ投資。ヤドカリ、と言うように自分の住処を変えつつ売却することで収益を得る方法です。

ヤドカリ投資は家賃収入を得る不動産投資とどのような違いがあるのでしょうか。

そんなヤドカリ投資のメリット、デメリットについて解説します。

1.ヤドカリ投資とは

ヤドカリ投資とは自分が生活する家を次々と住み替えて、前に住んでいた物件を売却することで利益を得る不動産投資方法です。

物件に住み始めた時の物件価格より、売却する時の物件価値が高くなっていればその差額が利益として得られます。

不動産を運用しながら利益を得る不動産投資とは異なり、自分の家を投資対象として利益を得る方法のため資産運用としては少し特殊かもしれません。

先述の通り、入居時価格より退去時価格が高くないと利益を得ることはできません。

退去時価格を上げて利益を得るには主に以下の2点が挙げられます。

物件があるエリアの物件需要の上昇

物件の価値が上がる条件として大切なのは立地。駅近や都心寄り、人気の住宅街などエリアによって需要が異なり、物件需要の高いエリアは必然的に価値が高まります。

ここで利益を得るには購入検討している物件が、物件需要の高まりそうなエリアにあるかを予測する必要が。

例えば「駅近の物件を選ぶ」「再開発予定のエリアにある物件を選ぶ」、リモートワークが増えている今であれば都心から離れた地方の物件も選択肢に入れられるでしょう。

リフォームを安価で行う

物件の価値は場所だけでなく、当然ながら物件自体の価値も影響してきます。

古いキッチンより新しいシステムキッチン、などやはり最新の設備が整っている物件は購入者から見ても魅力があると思いませんか?

購入した物件を住みながらリフォームを行い、設備を向上させて売却することで生活レベルも上げつつ、物件自体の価値も高めることが可能です。

ただし注意すべき点は、リフォームをなるべく安価で行うこと。

仮に高価な最新設備を取り揃えたとしても、売却益よりリフォーム代の方が高くなれば元も子もありません。

リフォーム後の物件価値をおおよそ理解した上で、リフォーム内容を決めることが重要でしょう。

2.ヤドカリ投資のメリット

ヤドカリ投資にはどのようなメリットがあるのでしょうか?他の不動産投資にはないメリットはどのようなものなのか、見ていきましょう。

家 お金

家賃が節約できる

まず1つ目のメリットとして、自分が居住する物件の家賃を節約することができます。

物件価格が値上がりして売却するタイミングまで、投資対象の物件に住むことで無駄な家賃はかかりません。

家賃収入を目的とした不動産投資であれば、投資物件とは別に自分の居住する家の家賃を支払う必要があるためローンと家賃の二重支払いになります。

今まで支払っていた家賃が、物件購入時の住宅ローンに当てられるのはコスト面でかなりお得です。

生活状況に応じて貸し出しも可能

会社員であれば急な転勤で引っ越しが必要になった、結婚して子供ができるなど今の居住環境では事足りない。。。といった場合でも、賃貸物件として他人に貸し出すことができます。

もちろんそのタイミングで物件価格が上がっているのであれば売却益を得るのもよし、それほど売却のメリットがない・転勤から戻った際にもう一度住みたいなどの希望であれば賃貸物件として貸し出すのも良いでしょう。

このように、自身の生活状況に応じて不動産投資の運用方法を変更できるのも大きなメリットです。

金利の低い住宅ローンを利用できる

ヤドカリ投資ではあくまで物件は居住用として購入するため、物件購入の際は住宅ローンの利用が可能です。

不動産投資としての物件購入では金利の高い不動産投資ローンを組む必要があるためコストが膨らみますが、ヤドカリ投資は低金利の住宅ローンが利用できるため、トータルのコストを抑えることができるのもメリットの一つです。

空室リスクがなく、少額の自己資本でも手を出せる

家賃収入を得る不動産投資の方法では、入居者が見つからない空室リスクが発生しがちです。加えて先述の不動産投資ローンでは毎月返済する額もそれなりに高いため、キャッシュフローでマイナスに陥る可能性が十分にあります。

対してヤドカリ投資であれば、自分が住んでいるため空室リスクはゼロ。加えて低金利の住宅ローン利用に、都度修繕、家賃分が節約できることを考えると自己資本が少額でも運用が可能です。

もちろん需要を見込める場所で探す必要はあるため、物件自体は安くはありませんがキャッシュフローでの赤字補填がない分、資本金は少なくても大きな問題はありません。

条件次第で税制優遇も

ヤドカリ投資法は住宅ローンを利用して投資することが可能、すなわち住宅ローン減税制度を活用することも可能です。

住宅ローン減税制度、正式には「住宅借入金等特別控除」といい、一定期間住宅ローンの残高の一定割合にあたる金額を、所得税・住民税などの税金から控除してくれるものです。

額としては年末の住宅ローン残高の1%、最高で一年あたり40万円の減税が10年間受けられます。

ただし条件によって限度額には差が出てくるため、購入する物件の限度額を把握しておくことが重要です。

住宅ローン減税とは(参照:価格.com)

3.ヤドカリ投資のデメリット

メリットを見ているとヤドカリ投資には悪い部分がなく、不動産投資として有力なのでは?と思いますが、投資には一定のリスクがつきもの。デメリットを知っておかないと、後々損をする可能性があります。

ではヤドカリ投資法のデメリットとはどのようなものでしょうか?

マンション 外観

値上がりする物件選びが容易でない

ヤドカリ投資法に限る話ではありませんが、需要を見込んで購入してもそれが外れていた場合、買い手が見つからないことも。

特に物件の価値・需要の上昇を読むことは難しく、外的要因にも大きく左右されます。

自分にとっては駅近・リフォームで最新設備を揃えて住みやすいと思っても、購入者がそうであるとは限りません。またリモートワーク推進企業、地方に本社移転をする企業の増加など、外的要因を読むことはかなり難しいでしょう。

ましては購入者にとっては大きな買い物。簡単に売り手が見つかるとは限らないので長期的な視点で資産運用する形となります。

経費計上ができない

家賃収入を目的とした不動産投資とは異なり、ヤドカリ投資法では経費計上ができません。

そのため、初期費用や修繕費等は所得からの控除ができないため100万円以上経費計上できず節税の面ではメリットは少ないでしょう。

税制優遇を受けられない場合も

先述のメリット部分の通り、ワンルームなどの狭い部屋であれば住宅ローン減税を受けられない可能性があります。

住宅ローン減税を受けるのであれば床面積が50平米を上回る物件購入が必要です。

となると、1LDK以上のファミリー向け物件が対象となりますが、規模も大きくなるため買い手がつきにくいなどのリスクも発生するため注意が必要です。

売却で損失する可能性も

当然ながら購入時以上の価格で売りに出していても買い手がつかないことはあります。その場合は物件価格を下げる必要があり、購入時より低い額での売却、もしくは同額近くでもリフォーム代等、トータルで見ると損失する可能性があります。

その点でも今後物件の需要が上がりそうか、リフォーム等のコストをいかに下げられるかが重要なポイントです。

結論、ヤドカリ投資法はおすすめ?

メリット・デメリット見てきましたが、結論は投資に対する考え方次第で有効と言えるでしょう。

不動産投資で極力空室リスクやその他コストを抑えたいのであれば、ヤドカリ投資法は有効と言えるでしょう。

対して、不動産投資に節税効果を求めている・あくまで投資には投資用の物件として分けておきたいのであればヤドカリ投資法ではなく家賃収入を得る投資法が向いているでしょう。

どちらも一定のリスクは抱えていますが、どちらを許容できるかで不動産投資方法を選択すべきでしょう。

物件の見極め、ローンや税金対策を怠らずできるのであればヤドカリ投資法は有力な投資法となりますので、検討してみてはいかがでしょうか?

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