資産運用トラの巻
 

資産運用におけるコロナショックの影響は?投資市場の今後を占う!!

株式市場における影響

医療関連株

資産運用において、コロナショックの影響は、各投資市場によって異なります。 まず株では、多くの株が下落していますが、医療関連の株や、新型コロナウイルスの治療薬やワクチンを製造する製薬会社の株、マスクや防護服の製造会社の株は、上昇しています。

しかし、治療薬については治験や観察研究の段階であり、ワクチンも開発の段階です。今後、新型コロナウイルスの感染者に対する治療効果が薄いとか、副作用が大きいなどのマイナスの情報が流れると、下落するリスクがあります。

事実、アメリカの製薬会社ギリアド・サイエンスの製造するエボラ出血熱の治療薬のレムデシビルを新型コロナウイルスの感染者に投与する臨床試験が行われていますが、その途中経過の報道で、ギリアド・サイエンス社の株価が乱高下しています。投資する場合は、余裕のある資金で、リスクを承知で投資するのが無難かもしれません。  

株価が下落している銘柄が、今が底かどうかは判断が難しいところがあります。今後上昇に転じるかもしれませんし、もっと下落するかもしれません。一つの銘柄の値動きだけに左右されるのではなく、手持ちの資産全体のポートフォリオを再確認し、株の配分が低くなっていれば、買い足してリバランスすると良いかもしれません。  今後コロナショックがどのように影響するか、どの株価がどれぐらい上昇するか、誰も正確なところが分からないので、不安になって焦って売買すると、後で損失を被ることになるかもしれません。

よく言われるように、25日移動平均線を上回った株を買い、下回った株を売却するなどのルールに従って機械的に株を売買すれば、不安によるストレスが少なくなります。先行きが不透明なときほど、あれこれ考えずに基本に帰るといいかもしれません。  

IPO(新規公開株)

株の中でも、リターンが大きいIPO(新規公開株)も、大きくコロナショックの影響を受けました。IPOとは、新規に上場する企業が上場前にお得な価格で株式を売り出すのですが、上場後に大きく値上がりすることが多く、人気があるので抽選に申し込まないと購入できません。

しかし、今年の3月のIPOは、コロナショックの影響で、24社が上場して公募割れが18社と、今までにない事態になりました。IPO自体中止となったのも18社もあり、IPOで資産運用を考えていた者にとっては、今年は大きくコロナショックの影響を受けた形となります。

中止となった企業は、今後また時期を改めて上場する可能性もありますが、やはり先行きは不透明です。 投資信託も、多くの商品が下落していますが、長いスパンで見れば、買い時ともいえます。特に、外国の株や債券など、広く世界経済に分散投資した投資信託なら、世界経済が何十年も成長しないということは考えにくいので、下落の後は上昇するときがきます。しかし、そのときがいつになるかは、コロナショックについては不透明です。

毎月、毎週、あるいは毎日決まった額の積み立て投信を行っている人は、自動的にドルコスト平均法で、今は多くの数量の投資信託を購入していることになります。つまり、評価額が下落した場合は、自動的に購入数が増え、逆に評価額が上昇した場合は、購入数が減る計算にだからです。積立額の設定を上げる場合には、すぐに使用しない資金で余裕をもって設定すれば、のんびりと値上がりするのを待つことができます。でないと、資金繰りに困って、値下がりした商品を損を承知で解約せざるを得ない状況になる危険性があります。

債権

コロナショックの影響で多くの株が下落していますが、債券は通常は株とは逆相関があるといわれています。つまり、株価が下落すると、債券の価格が上昇するのが通常のパターンです。しかし、今年は3月上旬までは債券は値上がりしましたが、以降は値下がりしています。その原因は、原油価格の値下がりと、新型コロナウイルスがヨーロッパに感染が広まったことが考えられます。

リスクのある資産を売却し、現金化する動きが加速したため、株も債券も値下がりしていきました。このように、債券については、通常とは異なる影響が表れています。

不動産投資における影響

不動産投資では、投資先の物件にもよりますが、株や投資信託ほどの影響を受けません。まぜなら、毎月の収入(家賃)は、更新時や入退去時以外には一定だからです。特に、居住面積の狭い都心のワンルームマンションの場合、コロナショックの影響は少ない投資商品になります。

過去をさかのぼっても、リーマンショックのときでも賃料はほぼ一定でした。コロナショックでも、自分の住居に住み続けるのには変わりありませんし、都心のワンルームマンションの需要は増え続けているため、コロナショックの影響は小さいのです。むしろ、今は人の移動を制限しているので、入退去などの動きは普段より少なく、安定しているとも考えられます。

しかし、コロナショックの影響が年単位で長引けば、空室や賃料の値下げなどの影響が出てくることも考えられます。  このように、都心の狭いワンルームマンションは、コロナショックの影響はあまりないので慌てて売却する必要もなく、しばらく静観したほうが良いかもしれません。

コロナショック時に不動産投資で注意すること

注意するべきは、コロナショックで人々の心理が不安定になっているので、その不安につけこんで「今売却しないと大損をする」というように不安をあおって安値で売却させるような手口が横行することです。 同じ不動産投資でも、ワンルームマンションよりも広いマンションやタワーマンションなどの高級物件では、賃料が下がったり、空室が増えたりする影響が考えられます。

また、コロナショックの影響で旅行者が減ったため、宿泊施設も空室が増加し、賃料が下落する影響があります。特に、地方の観光業に依存していた地域では、その影響が大きくなります。この点でも、東京は観光業に大きく依存しているわけではないので、影響は少ないといえます。

テナントの場合も同様に、企業の業績不振のため、空率が増加し、賃料が下落する恐れがあります。東京のオフィスの賃料は、リーマンショックのときに約20%下落しました。J-REITなども、リーマンショック時に大幅に下落しました。  

保険における影響

貯蓄性の高い保険に関しては、毎月決まった額を積み立てているので、コロナショックの影響は少ない商品といえます。保険金の一部を特別勘定で運用する変額保険の場合は、株や債券の運用実績によって解約返戻金や保険金が増減するため、今解約すると解約返戻金が少なくなるという影響はあるかもしれませんが、当面解約しなければ、問題ありません。

多くの人が、生命保険に加入していると思います。生命保険には、審査なしでお金を借りられる契約者貸し付けの制度があります。この制度を利用すれば、IPOに申し込むときの資金が足りないときなどの資産運用の資金にできます。現在は新型コロナウイルスの影響で、多くの保険会社が無金利で契約者貸し付けを行っています。

無金利の期間は、半年程度が多くなっています。契約者貸し付けの金利は、通常は年に2~8%(多くが5%以下)であることが多く、それでも他の貸付業の金利が年に15~20%(借入金額が多くなるほど低くなるように設定されています)を上限とするのに対し、低くなっています。 契約者貸し付けの制度は、どんな生命保険にもあるわけではありません。個人年金保険や終身保険、学資保険、養老保険など、解約返戻金を受け取ることのできるの生命保険で、契約者貸し付けの制度を利用することができます。

解約返戻金を担保にして、保険会社が貸し付けを行うという仕組みです。つまり、自分が今まで保険料として支払って積み立てたお金を担保にするのです。契約者貸し付けでは、保険に加入している人の現在の就業状況や、お金を借りる理由などを審査されることもなく、すんなりと借りることができます。借りることのできる額(借入限度額)は、加入している保険の解約返戻金の7~9割程度の額になります。

アバター
この記事を書いた人